週報コラム「平成最後のクリスマス」

平成最後のクリスマス 小出牧師

いろいろなところで「平成最後の〇〇」が飛び交っています。それ流に言えば、今年のクリスマスは「平成最後のクリスマス」です。

ベツレヘムの馬小屋でイエス・キリストがお生まれになった時、御告げを受けた羊飼いたちが来るまでは、誰もそのことに気が付きませんでした。
しかし、ヘンデル「メサイア」のハレルヤコーラスではこの幼子を「王の王、主の主」と称えます。これはヨハネの黙示録19章16節に拠るもので、時のローマ皇帝を王の王、主の主、神と崇める者に対して、このお方こそ真の王の王、主の主、真の救い主であると告白しているのです。
「救い主」も時代の支配者に贈られた称号です。聖書はこのお方こそまことの救い主と告白します。

そのまことの王の王、主の主、まことの救い主がお生まれになったというのに、
何故こんなにも静かなのでしょうか。
何故誰も気が付かないのでしょうか。

一番わかりやすい救い主は、政治的な救い主です。ユダヤ人が待ち望んでいたメシアも、かつての王ダビデのような政治的軍事な救い主だったのです。
しかし、神による約束の救い主は、神の御前から失われた者たちの、存在そのものを救うために来られたのです。
だから、この地上の価値や力や支配とは全く関係なく、
人の願いや思惑とも関係なく、世に来られるのです。

平成が終わっても、クリスマスには最後はありません。
世の終わりに主イエス・キリストが再び来てくださるその日まで、世の救い主を喜び祝うクリスマスは続きます。