おとずれ「アドベント 主を待つ時」

教会の印刷機を使っていて、ほんの数年前に比べてもカラー印刷の速度が上がったことに改めて驚きました。サクサクサクと機械からリズム良く出てくる紙。以前はもっと一枚一枚ウイーンウイーンともったいぶるように出てくるのをじーっと眺めていたものでした。印刷速度が速くなる。新幹線が速くなる。色々なものを「もっと速くもっと速く!」と急きたてるのは何の故なのでしょう。

牧師が言いました。「待つ時間が無駄だと思うんだね。」 なるほど、待っている時間は死んでいる時間、無駄な時間、ロスタイムで、それをいかに減らすか、がこの進歩の原動力という一面があるのかもしれません。待たずに過ごせれば、人生は豊かになる、ということなのでしょうか。

そんな進歩の中にあって、教会はずっと待っています。2000年前から変わらず、「キリストの再び来たりたもう」を待ち望んでいます。限られた人生を有意義な事で満たして、無駄を省こうとする生き方からは考えられない長い時間を、待つことに費やしています。そのことが表すのは、イエス・キリストに救われた人たちにとって、人生の豊かさとは自分の欲求を満たすことにあるのではなく、神の御心によって満たされることにあるのだという信仰です。その御心を待つ時間は無駄ではありません。

神の御子イエス・キリストがこの世に生まれてくださった出来事、私達のために十字架に架かって死なれた出来事、復活なさり、生きてこの世界をご支配されていることを、日に日に受け取って再臨を待つ人生は、永遠の命の希望に向かって開いているからです。そして神様ご自身が、全ての人が主イエスを救い主と信じてこの希望を持つことを待っておられます。主を待ち望むアドベント♪
幸いな待ち時間です。

ところで、印刷速度は上がっても、原稿が頭から出てくる速度はなかなか…。むしろ反比例して遅くなっているかも…。神様がお与えくださらないと出てきませんので、祈ってお待ちくださいませ。

伝道師 今井裕子

11月26日発行の教会報「おとずれ」より