「マリアへの天使のお告げ」小出 望
旭幼稚園のページェントは、天使がマリアのところに遣わされて「マリア、マリア、おめでとう。神様あなたと一緒にいらっしゃる♪」と歌う場面から始まります。マリアは「それは、それは、何でしょう?私は少し心配よ♪」と答えます。
カトリックではマリアを原罪を持たない聖女としますが、ルカによる福音書が描くのは「一人の娘」です。天使の到来に戸惑い、救い主の母となることが告げられても素直に受け入れることができないのです。
天使ガブリエルが丁寧に説得します。マリアがちゃんと納得して受け入れたのかどうかわかりません。実は最後までよく理解できないまま、天使の「神にはできないことは何一つない」という言葉に、自らを委ねたのでしょう。そして、主イエスがマリアの内に宿るのです。御言葉どおり「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む」のです。
このマリアの話が初めて記された時、自分達の教会が経験している、自分達のこととして読まれたに違いありません。「教会はキリストの体」です。罪深く、破れ多く、素直に神の御心を受け入れられない者たちの群れを、ご自分の御体としてイエス・キリストが宿っておられるのです。聖霊がこれを包んでいます。
「もはや我生くるにあらず、キリスト我が内に生くるなり」(ガラテヤ2:20)
自分の思いではなく、御心がこの教会になりますようにと、御言葉に委ねてまいりましょう。
12月10日週報より